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Q1. "VLBI"とは何の略ですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

"VLBI(ブイエルビーアイ)"とは"Very Long Baseline Interferometry"の頭文字をとって略したものです。日本語では「超長基線電波干渉法」と一般に訳されていますが、日本国内および海外においても"VLBI"という略称のほうで広く親しまれています。

Q2. VLBI技術は、いつごろどこで誕生したのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

最初に成功したVLBI実験は、1967年(昭和42年)、カナダおよび米国の電波天文グループによるものでした。その後、1970年代には測地利用の実験が始められ、数千km以上の距離を数cm以下(現在は数mm以下)の精度で測れることが明らかになりました。
 
VLBIはもともと「電波天文学」の分野から生まれた技術です。この「電波天文学」は、1930年代から40年代にかけて、宇宙の星が電波を出していることをアメリカやイギリスの研究者や軍が発見したことをきっかけに、欧米諸国や日本において急速に発展した分野です。

Q3. 国土地理院ではいつVLBIを始めたのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

国土地理院では、1981年(昭和56年)に、測地網の規正、プレート運動および地殻変動の検出等を主な目的として、VLBIアンテナおよび装置の制作に着手し、1986年(昭和61年)に本格的な観測を始めました

Q4. なぜVLBIではあんなに巨大なアンテナを使うのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

VLBIアンテナは、はるか数十億光年離れた宇宙の星(クエーサー)からの電波を受信しなくてはなりません。 クエーサーは、強烈なエネルギーを出している天体ですが、あまりにも遠い場所にあるため、その電波が数十億年かけて地球に到達する時には非常に微弱になっています。 例えば、私たちの生活にとても身近な「携帯電話」の電波と比較すると、その弱さは桁違いです。 数多くの電波が飛びかっている中で、特定したこの超微弱な電波を受信するためには、電波を集める能力の高い、直径の大きいアンテナを使わなくてはならないのです。

Q5. VLBIの巨大なあのアンテナは、いったい何でできているのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

国土地理院のVLBIアンテナの中核として活躍する国内最大級のつくば32mアンテナの場合、お皿の部分は硬質アルミニュウム合金板、支持筐体は鋼管・H鋼から出来ております。

Q6. VLBIアンテナは、台風や地震にどれくらい耐えられるのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

つくば32mアンテナに関してですが、風速60mまでの風、震度7までの地震にあっても問題のない強度で作られています。

Q7.
 
今までに行ったVLBI観測で、最長の基線はどこですか?
また、VLBI観測で測ることのできる距離の限界はどれくらいですか?
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つくば(茨城県)−コンセプシオン(チリ)基線が最長で、約12400.5KMです。地球の直径が12741.9kmであることを考えると、地球上のアンテナ間におけるVLBI観測としては、ほぼ最長の距離の一つと言えます。
 
ただし、この基線のように地球の表と裏のような位置関係にある場合、地球自身によって星が遮られてしまうため、2局間だけの観測では不可能です。
 
基線の間に位置する複数の観測局とネットワークで同時観測を行い、その全データを相関・解析することではじめて距離を求めることが出来ます。 このようにネットワークでVLBI観測を行えば、地球上に存在するどんなに遠い距離でも測ることが可能です。
 
また、地球上のアンテナと宇宙に設置したアンテナ間でVLBI観測を行う場合、測ることのできる距離は格段に長くなります。スペースVLBIと呼ばれるこの手法、日本では、宇宙科学研究所(現JAXA宇宙科学研究本部)によって打ち上げられた衛星「はるか」と同研究所の所有する臼田64mアンテナを中心に、アメリカ、スペイン、オーストラリアのアンテナも加わって、観測が行われていました。

Q8. 観測中に、目標の電波以外の電波を受信してしまうことはないのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

VLBI観測中に受信して記録される電波データは、1000のうち999がターゲット以外のノイズ電波です。
 
基本的に測地VLBIのアンテナは、テレビやラジオ、携帯電話などで使われているものとは違う2GHZと8GHZの周波数域の電波だけを受信するように設定してありますが、これらの周波数域でも、ターゲット以外の星からの電波や、自然界からの電波など、たくさんの電波が存在するため、ターゲットの電波のみを受信することは不可能です。
 
そのため、観測後に行われる相関処理の中で、必要な電波データだけを検出します。

Q9. "測地VLBIと天文VLBIは、どこがどう違うのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

VLBIは、目的によって天文VLBIと測地VLBIの二つに大分されます。
 
どちらも、基本的に原理は同じですが、天文VLBIは、観測により得た星からの電波データにより、星の位置や距離、動きなどの宇宙に関する情報を得るために行われます。
 
一方、国土地理院で行っている測地VLBIは、そのデータを地球上の位置や距離および地殻変動や地球回転速度などの地球に関する情報を得るために行われます。

Q10.
 
 
パラボラアンテナは多目的に利用される場合があると聞きますが、
地理院のアンテナもVLBI以外に利用されているのですか?
また、測地分野の利用だけでなく天文分野での観測もするのですか?
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地理院のアンテナは測地VLBI専用として利用されています。
 
確かに、一般的にはパラボラアンテナ自体は多目的に利用される場合がありますが、地理院のアンテナの場合、システム全体がVLBI専用として構築されて稼動しているため、今後も他用途に利用される予定はありません。
 
また、天文分野のVLBIにも利用は可能ですが、地理院設置のアンテナには、Sバンド(2GHZ)・Xバンド(8GHz)の受信機しか有しておりませんので、他の周波数を取得することは出来ません。

Q11.
 
 
つくば観測局には、他の局に比べて格段に大きなパラボラアンテナがありますが、パラボラが大きくなるとどのようなメリット、またはデメリットがあるのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

パラボラアンテナを大きくした場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
 
(メリット)
ノイズ比が小さくなるので、より弱い電波でも受信可能になる。
測位精度が向上する。
 
(デメリット)
重力変形等によりパラボラ面の精度(鏡面精度)を保つことが難しい。
パラボラを動作させるのがたいへんである。
建設・維持費が高い。
 
すなわち、大きくすればするほど、良いというものではありません。 VLBI観測の場合、2つ以上の観測局で同時に電波を受信します。 この時、観測に必要なパラボラアンテナの大きさは、2局のパラボラアンテナの直径をかけ算した値が100を越えればよいとされています。 したがって、現在、国土地理院で所有する最小のパラボラアンテナは、直径が3.8mですから、直径が32mのつくば局と観測すれば、3.8*32=121.6となり、VLBIとして十分な組み合わせとなります。

Q12.
 
VLBI観測の精度は、以前(1990年代)と比べて現在どの位向上しているのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

観測精度というのは、さまざまな要因が複雑に関係していますので、単純に比較はできませんが、総合して、おおよそ数倍は向上していると思われます。 特に、水素メーザ時計の精度が1990年代と比べて、大きく向上しています。 また、近年、格段に向上した点として、観測作業の確実性があげられます。 以前では、観測のデータがうまく取れなかったことがありましたが、現在では、観測すればほぼ確実に結果が算出できるようになりました。

Q13.
 
 
通常、あれだけ巨大なアンテナは、表面の温度変化によりかなりの変形をきたし、受信精度にも影響が出てしまうと思うのですが、どのような対策を行っているのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

つくば32mVLBIアンテナの主反射鏡の各パネルは、硬質アルミニウム合金版をアンドロフォーミングと呼ばれる成形法により曲面体に成形して使用しています。 この方法で製造された反射鏡は高い鏡面精度を実現することが可能で、つくば局のアンテナ鏡面精度も、実測で0.14mm(rms)と高精度に仕上がっています。
 
反射鏡の変形を抑えるため、つくば局のアンテナでは、主反射鏡の支持構造を白パネルで覆い、かつ8個の温度センサーと16機のファンで空気を循環させることで、温度不均一による鏡面精度の悪化を防ぐ工夫をしています。 しかしながら、変形をゼロに抑えることは現実的に不可能であるため、VLBI観測では、温度差、日照、風荷重といった誤差要因を消去するため24時間の連続観測を行っています。

Q14. つくば32mアンテナの鏡面精度、追尾精度はどのくらいなのですか? Q&A一覧に戻る このページの1番上へ

鏡面精度 0.5mm(rms)以下
指向精度 0.008度(rms)以下(夜間風速5m/s以下の時)
軸精度 交点精度 1mm以下(Az軸、El軸の交点)
交角精度 0.01度以下(Az軸、El軸の直交)
鉛直度 0.01度以下
 
これらのアンテナ精度は、測地目的のために特に重要となるため、つくば観測局では上記のような高い精度を有しています。 また、これらの高い精度を保つために、主鏡面をバックパネルで覆い、送風機で空気を循環させるなど温度変化に対する対策もしています。
 

 
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